後見人から相談があると連絡有り。
(私のではありません)
依頼内容は、
「なんかくやしい、
なんとかならんべか」
故人となった方は60歳近くの男性。
生まれてすぐにかどうかは知らないが、
ず~~っと病院暮らし。
両親は既に他界。
兄弟はいるらしい。
詳しい病状等は深くは聞きません。
お亡くなりになってからその後見人は、
なんとか兄弟に連絡をとりました。
しかし、
「そんな兄弟が死んだあとに
今更その存在を知ったからといって
私たちにはどうすることもできません。
そっちでなんとかして下さい」
とのこと。
ガチャリ......
おいおい......
取り付く島もありません。
それに理解もできません。
仮にも兄弟、私達は他人です、
私達に責任を求めるとは。
そうです、
彼は家族はもとより病院以外の
一般社会には誰ひとりその存在を
知る者がいなかったのです。
彼の人生は病院の中だけにあった。
もし私が彼だったら...
憤りを感じずにはおれません。
どんな事情にせよ私達に託すというなら、
それならきっちり私たちで送りましょう!
私はすぐに段取りを決めて
ご遺体を提携会場まで搬送し、
湯灌方から納棺、祭壇からなにから
出来うることは全て用意しました。
彼一人の為に
後は僧侶だけです。
急いで僧侶に電話を入れると
お布施の金額も聞かず快く
引き受けてくれました。
僧侶到着後、いよいよ
火葬式に出発する前のお参りです。
しかし遺族席には誰一人いないのです。
式場職員や色々な業者の方々にも
「焼香だけでもしてあげてほしい」
と声をかけました。着席までは
してもらいませんでしたが、館内に
いたほぼ全員が焼香に来てくれました。
さすがの僧侶も、遺族のいない
お参りは初めてだったらしく
なんとも不思議な感覚だったようです。
自分の信仰が試されているような気がした
と後でお話されていました。
彼のご供養はおそらく今後
誰もすることはないでしょう。
毎年お命日に自分の勤めとして
お参りを致しますと言ってくれた
僧侶の声に私も後見人も
ほっと安堵しました。
我が身にあてて考えることが
兄弟のためにもできない時代が
来たのかと寂しさを覚えると
同時に、葬儀業界の仲間の心を
感じる事のできた札幌一小さくも
心に残る火葬式となりました。
(祭壇は家族葬18プランを施工いたしました)
ご冥福をお祈りいたします。
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